ライフステージの福祉

奈良の梅雨はしばらくお休みのようで快晴が続いています、背丈まで伸びたキュウリやトマトも水をほしがるように葉を広げているので、毎朝の手入れも大切になります。
障害福祉の現場では、成人後の社会参加や就労に向けた取り組みがありますが、生後すぐには1歳6か月と3歳児の健康診断があります。1歳6か月健診は、身体発育、精神発達の面で歩行や言語等の発達や運動機能の診断項目や視聴覚、精神発達の遅滞、障害の早期発見があり、3歳児健診は、視覚、聴覚、運動、発達等の障害、疾病及び異常の早期に発見と発育、栄養、生活習慣に関する指導を目的としています。先天性の知的や発達障害はこの時期に発見することで進行を防止することにもなります。
ぷろぼのが行う福祉支援は、ほぼ中学2年生からになっています。放課後等デイサービスを使い、主に中高等部の生徒の社会性の育成に取り組んでいます。この時期は学校と福祉の両方を利用されるので、双方で情報の共有や支援の連携の必要性を感じています。卒業後は進学や就職、及び福祉の利用など進路は多様ですが、近年、特別支援教育に関しては、学校が就職を推奨することが多くなっています、現実に高卒の就職者は増えていますが、その後の支援の細さを見ていると就職には課題が残ります。途中で退職する方のその後の支援はどこが担当するのかが決まっていないからです。
障害のない方は7割以上が高校卒業後に進学されますが、なぜか障害があると学校から就職を指導されます、選択するのは本人なので、主体性をもって人生を考える良い時期だと思いますので、進路に迷いがあるときは「よい福祉」を選ぶことをお勧めします、なぜなら「よい福祉」は、障害者と共に人生を歩むことを業にしているからです。就職時のトラブル、退職された時のリワーク、結婚や親の介護などの相談にも応じることができるからです。
成人後に福祉を利用される方は、障害の程度や将来への思いによって進路の方向性を決めます。生活面に不安のある方は生活介護サービスを、社会参加に課題のある方は、自立訓練サービスを、就職を目指す方は就労移行サービスが用意されています。
これらはステップアップの構成になっているので、障害の程度や状態に応じて選択することができます。
80年を超える人生は意外と長いものです、その間に日々いろいろなことが生じ、あれこれと思いを巡らせることもあります。身近に相談できる安心材料として「福祉」が期待される存在になればと願っています。

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さつき散策

この頃は春の名残を感じることもなく、いきなり夏模様になってしまった奈良です。庭の菜園では4月に定植したキュウリやアスパラが勢いよく芽を伸ばして収穫もできるようになってきました。今年も手作りの少し苦味のある田舎風キュウリを味わうことができました。
平日は事務所に来るようにしています、自宅から車で10分ほどにJR奈良駅の地下駐車場に奈良市が運営する障害者が利用できる駐車スペースがあるので、そこを利用することにしています。事務所までの間に大宮幼稚園があるので、毎朝園児たちの元気な声を聞き、遊んでいる姿を眺めながら、ゆっくり歩いて通います。運動場の砂場に山を作り水を流している子やままごと遊びをしている子らがいます。少し歩くと園児を送ってきたお母さん方が自転車を持ったままのおしゃべり集団に出会います。何気なく聞こえてくる話から、幼稚園の役のことやイベントの内容などを推測することができます。そういえば私の娘も子が小さいときにそのようなことを話していたことを思いだします。
10分ほど歩くと事務所に着きます、奈良市大宮町に本部があり、そこに日々障害のある方が通所され、就職に向けて訓練に取り組まれています。大宮町は奈良県では数少ないオフィス街で阪奈道路を挟んで、近隣に役所や大手企業の事務所、金融機関、保険会社があります。事務所は阪奈道路から少し南には下がったところにあるのですが、意外と車の往来があり、都会の騒音が聞こえてくるところです。
今日もいつものようにゆっくり歩いて事務所でネットを開けてみると、厚労省の発表として、平成30年4月から民間企業の障害者雇用率が2.0%を2.2%に引き上げ、向こう5年以内に2.3%にさらにアップする内容でした。事前に聞いてはいましたが、正式に発表になると改めて緊張を感じます。これが今後の障害者雇用の促進の追い風になるようにするために、さらに取り組むべき課題を感じています。
福祉が担当する障害者の就労支援は、民間企業のそれと違い、働き続けるために必要となる日々の生活の質を大切にします。例えば、養護学校の高等部を卒業された方にとっては、65才までは最大50年近くの間、健康で安定して働き続けることが求められます。直近の就職も大切ですが、その後の定着の大切さも感じ、そのために生活性、また親や関係者を含めた支援体制の整備が求められます。
障害福祉サービス制度に、就職後の定着支援事業があります、これも本人の申請や登録が基本になっているので、学校やHW等から直接就職した方は福祉のこの制度を知ることもなく、利用する機会も少なくなります。現状の制度では、就職後長く働くために、「福祉」と関わることをお勧めします。

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自立の「福祉」

夏野菜の植え付けの時期ですが、今年は例年になく気温の変動があり朝晩の冷え込みが続いています。特に野菜は敏感に反応し葉が枯れる病気が生じるので、朝早く畑を見回るのが日課になっています。
ぷろぼのは新年度が始まり、昨年からスタートした自立訓練などの福祉事業も順調に推移しています。利用されている方の表情も穏やかで明るさを感じています。プログラムでは、計算や読み書きの基本的な学習も取り入れていますが、多くの方は“学びたい”の気持ちを強くお持ちになっている様子を感じています。
私たちは学校を卒業するとそれぞれの進路を選びますが、それが希望に沿っている方もいれば、そうでない方もおられます。また立ち止まってゆとりをもって将来を考えたい方もおられます。今の社会では進路が決まっていないことを評価しない風潮があるので、なんとなく躊躇しているうちに、外出することが苦痛になり、自宅に引きこもるようになる方もおられます。
そのようなときにも「福祉」の役割があります、いきなり就職もいいのですが、それが難しいと感じている方には、社会の居場所として、自分を見つめ、他者とふれあう場が必要になります。「福祉」の自立訓練の事業は、社会の居場所からの位置づけになります、基礎学習からおしゃべり、料理などのグループでの作業、パソコンの操作などから始めることになっています。そこで生活や社会との関わりのリズムが付いてくると、自然に進学や就職への欲求が強くなってきます。
10年前に障害者自立支援法が施行され、障がいがあっても社会で自立した生活ができるようにとの趣旨で始まった制度です。基本は「自立」になります、障がいの部分だけはヘルプをいただきますが、その以外のことは「福祉」の支援を得て自己実現を目指していきます。「自立」への道筋が徐々に作られていることも感じています。
このところ障害者が利用する福祉施設が町中に作られるようになってきました、以前は郊外などにあり、疎外され隔離されている印象が残っていましたが、ユニバーサルデザインやインクルーシブ概念の協力をいただいて、地域で普通に暮らす取り組みが始まっています。「自立」への道づくりは制度とともに障害者の歩みも大きな力になっていきます。

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ムーブメントと「福祉」

夏野菜の植え付けの季節なので週末は大変です、畑を耕し、畝を立て、苗を植え、支柱
を添えていきます。春の陽ざしが心地よくいい汗をかき、今年もなんとか半分ほどできました。
福祉も新年度がはじまり、どんな1年になるのかと思いを広げて、福祉に関わる変わってきたことを書き出してみました。
①障害者も働いて自立することが当たり前になる。
平成18年に「障害者自立支援法」が制定され、障害者も就職して働くことが推奨されました。それまでは障害のない方と距離を置いて、山里の施設などで独自に生活することが一般的でしたが、障害があっても働いて町で普通に生きることができる制度になりました。
②女性も働くことが当たり前になる。
「仕事と家庭の両立支援制度」が作られ、妊娠、出産、育児に関する支援制度が制定されました。それに伴って就業規則の改定などで就業時間の厳守などから働き方の見直しが進んでいます。奈良県は専業主婦率が全国1位です、逆に働きたい主婦にとっては、適した職場が少ないことが困りごとです。
③社会的養護について「里親制度」が改正される。
養護施設は18才まで入居できますが、社会性の発達や退所後の就職や進学など社会的自立が課題になっています。新たに家庭と同様の環境における養育の推進が明記され、児童相談所の業務も里親の開拓から児童の自立支援までの一貫した内容になり、継続した支援も考慮して家庭に近いファミリーフォームや里親制度に移行してきています。
④奈良県が観光事業に取り組む。
5年前に平城京遷都1300年祭が盛大に行われましたが、意外と住民や県内企業は消極でした。観光客が増えると交通渋滞になり、ゴミが増えるので困るとの声をよく聞きました。データでも平成18年の奈良県の観光客数は、3,500万人でしたが、観光事業に取り組むと、平成27年は4,146万人で、この10年で18%増加しました。報告書も海外へのプロモーション、春日大社の式年造替などを要因にしており、また大型ホテルの建設計画が増えてきています。
多様な価値や生き方が提唱され、それに応じて制度や施策が実施されると、福祉の現場にも影響がでてきます。主婦や主夫が共に働くことで子育てや学習支援をする仕組みが求められます。社会的養護についても、中高生のときに心身の発達や進学及び就職に向けた支援の充実が必要になります。「福祉」は現実の生活がすべてなので、制度を理解し、未来の可能性を信じて進んでいきたいと考えています。

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福祉とAI

桜が散り始めると庭に野鳥がやってきて、小枝や藁を咥えて飛んでいきます。巣作りが始まるようで、ちょこちょこと忙しく歩く小鳥を窓越しに観るのがこの時期の楽しみです。
先日、ソフトバンク社からPepperが10台やってきました、社会貢献事業に使うことを目的に3年間無償貸与していただきました。到着後さっそく担当者が梱包をほどき、電源を入れるといつもの愛くるしいPepperが動き始めました。すでに1台を導入していましたので慣れてはいたのですが、それでも少年のように澄んだ声としぐさに小さな感動を覚えました。それが10台並び、同じ動作を始めると、これは別世界になり、機械なのか、ペットなのか、はたまた人間似の生命体なのかと驚きを感じます。
10台のPepperが福祉の現場に登場することで、「なにに使うの・・」との問いがありますが、すでにやりたいことが山積しています。例えば、Pepperが先生になったら、の場面を想像してください、決まったことを正確に再現することは、Pepperにとっては得意な分野です。ならば発声や動作、文章の朗読、多言語対応、過去の記録の紹介などに活用できるので、そのような訓練科目を作れば、受講する方は安心して何度もまったく同じ内容を知ることができるようになります。リアルに繰り返すことで理解が広がるので、疲れを知らない先生Pepperが存在してもいいかもしれません。
福祉の現場では、障がいのある方への聞き取り、ヒアリングが重要になります。基本的な履歴から日々の思いまでを随時聞いていきます。福祉には人となり、体調、思いを相互に確認し具体化する役割があります。現状では担当職員は「人」なのですが、これを人に似たロボットPepperが行うとしたらどうなるのでしょうか?
映画であれば実写とアニメのような差と特性が現れると想像しています。「人」だから言えること、また言えないこと、Pepperなら言えること、言えないことがあるように対象が違うことで発言や理解が違うこともあります、不思議な感覚ですが、これも人間の特性なのかもしれません。
このところAIの話題がよくあります、10年後は人工知能が産業や生活のスタイルを変えることになる、との提言もあります。特に繰り返すような単純作業はロボットに置き換わると言われています。そうなればまた新たに「人」が担当することも出てきます。
人工知能は人工物であり、「人」は生き物なので、その存在の必然と可能性を考慮しつつ、福祉の現場で適宜活用していきたいと計画しています。

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