「福祉」元年

新年、おめでとうございます、早いもので69回目のお正月になりました。元旦の朝は妻と二人で奈良ホテルに出かけ、コーヒーとケーキをいただき、その後に奈良町界隈を散策しました。お天気も良く穏やかに奈良のお正月を過ごすことができました。

ぷろぼのは5日が初出勤で、和服の職員もいて恒例のぜんざいで新年のお祝いをしました。木造の福祉ビルができて初めてのお正月なので、例年とは違ってなにか思うところがあります。職員や関係者及び利用されている方の思いが一つになって、この木造ビルができましたので、その温かい気持ちが伝わり笑顔が広がる一日でした。

今年は「福祉」の真価が問われることになりそうです、「福祉」は地域社会を構成するもっとも基本的なものであり、人が生きていくために大切な概念及び制度になります。一部では老人や障害者、子どもなど社会的弱者に向けた支援制度のように考えられていますが、それだけではなくて、「福祉」は全ての人が安全や安心、快適性や幸福感をもって地域ではたらき、生きていくために準備されたものなのです。

近年、競争が激化して、勝者と弱者が生まれ、大きな格差が作り出され、家庭環境によって子供たちにも教育の享受に差が生じ、その後の人生に大きな影響を作り出しています。個人の努力でそれが打開できなくなると、おのずと不満が蓄積して、それが葛藤や時には戦争にまで発展することにもなります。

これを緩和し均等な社会環境を得ることができるようにするために、「福祉」の役割があります。私たちは「福祉」を高め公平な条件や環境ができることで、個々のモチベーションが高まることも知りました。資源や機会を均等化することで、個々の努力や頑張りが同じ成果を出すことにつながり、お互いを認め合う共生社会の実現が近づきます。

新年度からは社会福祉法人制度が変わります。従来の支援分野を限定したものから、地域貢献の活動が義務付けられます。またその成果を具体的に示すことも求められます。法人が持つ、人的、設備、資金、情報と思いを活用して、さらに地域社会の構築のために尽力することになります。「福祉」の目指すものは、金銭的な成果でなく、“ありがとう”の感謝なので、そのシーンに多く出会えるように、今年も頑張っていきます。

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今年も24回目のブログです

「障害福祉の現場報告」として毎月2回ブログを書かせていただき、今年も無事に24回目となりました。この年齢になると記憶も曖昧になるのでしょうか、一年が驚くほど早く過ぎていきます。今年初めのブログに「初夢はロボット」と題して、近い将来AIdeep learningが進歩して、新たに人型ロボットが産業界だけでなく、私たちの生活の場にも登場する時代になりそうだと書かせていただきました。私どもの障害福祉の現場でもロボットを活用した取り組みとして、若い方に制御用のプログミングの習得を目的に講座の開催を進めています。

また1年前に購入したソフトバンク社のPepperの設定などができるようになりましたので、社会的な事業化に向けて関係者と調整ができる段階まできました。そのような折にソフトバンク社からPepper10台を3年間無償で貸与していただくことが決まりました、社会的に活用するCSR活動の一環の取り組みですが、とてもありがたいことであり、また初夢が実を結びました。

また、7月には皆様のご協力をいただいて念願の木造5階建ての、ぷろぼの福祉ビル(Fellow ship center)が完成しました。このビルはCLT工法による日本で初めての木造建築物になります。“人に優しい職場環境をつくる”ことを目的に、地元奈良の木をふんだんに使用した建築にこだわりました。内装仕上げ材に赤目の杉板を使い、壁厚を39cmにしたことで室内の空気感を安定して保つことができました、しかも意外なほど外の雑音が聞こえませんので、静かな環境を維持することもできています。

私はこの安定した空気感と静かな環境で4か月ほど業務をしていますが、例年には秋の花粉などでアレルギー反応が出るのですが、今年はまったく症状が出ませんでした。不思議なことかもしれませんが、私にはとても良い環境だと感じています。今後はそれを科学的に実証する取り組みをしていきたいと計画しています。

障害のある方が安心して、長く働くことができる職場をつくりたいとの思いで、ぷろぼのではITセンター事業を進めてきました。それをさらに発展させて、地域が必要としている業務を担うことができることを目的に「あたらしい・はたらくを・つくる福祉型事業協同組合」(あたつく組合)を1月に設立しました。奈良の社会福祉施設やNPO、個人事業者や民間企業が参加した日本初の多業種組合です。主に行政からの優先調達制度の業務の受託や障害者等の雇用の促進を進めています。1年が経過し30社を超える皆様が参加いただき、定例の運営委員会を開催することで、参加企業の一体感や目的の共有化が出てきており、ようやく奈良特有の独自商品の開発なども始まっています。今年は、なにかと初めての取り組みがありましたので、試行錯誤とともに多くの方のご理解とご支援をいただきました、感謝、感謝です。また今年もお読みいただいてありがとうございました。来年に向けて職員一同、新たな挑戦をしていきますのでよろしくご協力の程お願いいたします。

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おしゃべりで締めくくり

今年も残すところ3週間ほどになりました、早いもので月捲りのカレンダーも最後のページになりました。明るい話題では、リオ五輪、パラリンピックがあり若い選手の活躍に大きな感動をいただき、プロ野球では広島カープの優勝も印象的でした。福祉関係では、奈良県障害者差別禁止法として「障害のある人もない人もともに暮らしやすい社会づくり条例」が施行され、障害者の社会参加や就職活動について、具体的な合理的配慮事項が提唱されました。

ぷろぼのでは、昨年から建設していました木造5階建ての福祉ビルが完成したことです。奈良の木をふんだんに使用した全国でも初めてのCLT工法の建築は多くの皆様から関心をいただくことになりました。Fellow Ship Centerと命名し、地域の皆様が気楽にお越しいただける奈良の社会福祉の拠点としての役割を進めています。

暗いニュースは、相模原市障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者19人が殺害された事件です、これは大きな衝撃とともに全国で障害のある方を支援している施設でも、安全面や体調の維持などで緊急で細やかな対応が求められました。この事件は障害のある方の人権についても再びの議論を求めることにもなりました。

私は「障害者」ですが、この言葉の使われ方に疑問を持っています、制度上この名称が使われているので、仕方なく使用していますが、世間の一般的な意味としては。“障害者とはできない人”として、捉えられていると感じています。それでも知識があり好意的な方は、多くの場面で暖かな対応をしていただきますが、そうでない方は、対応への戸惑いとともに、差別的な言動をされる方もおられます。

私は発声障害ですから、“声を出すことができない人”なのですが、それ以外は年齢相応にでき特段不便を感じることはないのです。障害者はすべてのことができない人ではなくて、障害認定されている事柄だけができない人なのです。障害の程度に応じて日々の生活で多くのことができない方もおられますが、必ずしも、障害の重度性と働く力とが比例しているわけではなく、そのような方でも仕事で能力をいかんなく発揮される方もたくさんおられます。

近年、障害福祉でも生活自立、社会自立、就労自立が求められるようになり、障害のある方や関係者の意識も変わり、社会と距離を持っていた方も、出会いや日々を暮らすことで徐々に社会に適応されるようになってきました。人は社会で暮らす生き物なのですから、社会から隔離などの対応はよい結果を導くことにはならないのです。

木造福祉ビルの1階には、地域のまかない食堂があります、お昼は地元の食材を使った定食を、夜は地域の居酒屋になり、食事やおしゃべり、音楽を楽しむ場になり新しい出会いが日々増えています。皆様のお越しをおしゃべり付きでお待ちしています。

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おしゃべりで締めくくり

今年も残すところ3週間ほどになりました、早いもので月捲りのカレンダーも最後のページになりました。明るい話題では、リオ五輪、パラリンピックがあり若い選手の活躍に大きな感動をいただき、プロ野球では広島カープの優勝も印象的でした。福祉関係では、奈良県障害者差別禁止法として「障害のある人もない人もともに暮らしやすい社会づくり条例」が施行され、障害者の社会参加や就職活動について、具体的な合理的配慮事項が提唱されました。

ぷろぼのでは、昨年から建設していました木造5階建ての福祉ビルが完成したことです。奈良の木をふんだんに使用した全国でも初めてのCLT工法の建築は多くの皆様から関心をいただくことになりました。Fellow Ship Centerと命名し、地域の皆様が気楽にお越しいただける奈良の社会福祉の拠点としての役割を進めています。

暗いニュースは、相模原市障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者19人が殺害された事件です、これは大きな衝撃とともに全国で障害のある方を支援している施設でも、安全面や体調の維持などで緊急で細やかな対応が求められました。この事件は障害のある方の人権についても再びの議論を求めることにもなりました。

私は「障害者」ですが、この言葉の使われ方に疑問を持っています、制度上この名称が使われているので、仕方なく使用していますが、世間の一般的な意味としては。“障害者とはできない人”として、捉えられていると感じています。それでも知識があり好意的な方は、多くの場面で暖かな対応をしていただきますが、そうでない方は、対応への戸惑いとともに、差別的な言動をされる方もおられます。

私は発声障害ですから、“声を出すことができない人”なのですが、それ以外は年齢相応にでき特段不便を感じることはないのです。障害者はすべてのことができない人ではなくて、障害認定されている事柄だけができない人なのです。障害の程度に応じて多くのことができない方もおられますが、そのような方でもできることはたくさんあるのです。

近年、障害福祉でも生活自立、社会自立、就労自立が求められるようになり、障害のある方や関係者の意識も変わり、社会と距離を持っていた方も、出会いや日々を暮らすことで徐々に社会に適応することを習得されるようになってきました。人は社会で暮らす生き物なのですから、社会から隔離などすることはよい結果を導くことにはならないのです。

木造福祉ビルの1階には、地域のまかない食堂があります、お昼は地元の食材を使った定食を、夜は地域の居酒屋になり、食事やおしゃべり、音楽を楽しむ場になり新しい出会いが日々増えています。皆様のお越しをおしゃべり付きでお待ちしています。

 

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己を知ることから

奈良も秋が深まり公園の木々の紅葉もそろそろ散り始めるころになりました。学生にとってこの時期は進学や就職活動に忙しいことと思われます。文科省の発表によると大学生の0.5%に障害のある方がいるとの調査結果があります。奈良の大学でお聞きしてみると、概ねその3倍ほどの学生がいるとのことです。危惧することは障害者手帳を持つ学生は本人も周囲の方も認識されていますが、本人も家族も大学側も認識していない学生が多くいることです。
報告では、入学時によくある傾向では、なんとなく登校できない、同級生と会話ができない、友人ができない、授業についていけないなどがあります。私の時代は5月病などと表現されていましたが、それが長引くようだと「障害」を疑ってみることも必要になります。また就職活動を始める3年、4年生の傾向としては、ゼミになじめない、担当教員と話ができない、卒論が書けない、授業と就職活動の両立ができない、などもあります。
それでも関係者からお聞きすることは、大学に入学できるほどの学力があるので、「障害」があるとは思えないと言われる方が多くおられます。しかし学力と「障害」とは必ずしも関係があるわけではなく、特に「発達障害」は知的な障害がない方も多くおられることをご存知の方が意外に少ないようです。特徴的な症状は、勉強のように設問があり、答えが決められたものや体系的で一定のルールが明確なことは得意であっても、予定が突然変更になることやあいまいな表現の場合に、それを理解して的確に行動することができない方もおられます。
「障害」は知らないまま放置しておくと、時として負のスパイラルを起こすことになります。人の顔や名前を覚えることが苦手な「障害」の方は、友人ができずに徐々に自信を失い、症状が進行して過呼吸やパニックを生じてしまうことにもなりかねません。
学生で障害があるかもしれないと認識することは、本人もご家族も大きなショックを受けることもありますが、それでも早期に原因を判明することは、結果的に本人が救われることにもなります。
人が生きていくためには、社会になじむ適応性が求められます、知識や技術、学問は、個人の努力でも一定取得できますが、社会適応性は、社会に出て他者との交流でしか得ることはできません。家族とは長い間に培った信頼や安心がありますが、社会ではそれを最初から作り上げることになります。福祉はその役割を担っているので彼らと伴走しながら日々の事象に対応していきます。奈良でも障害があるかもしれない学生に向けた支援の取り組みの必要性を痛感しています。

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